お寺の脇台

お寺の脇台


お寺にあった脇台、高さが78cmつくりはしっかりしている。
これを工房で使おうとしたのですが、足の下をとめている横棒が雨水で腐っているのです。

腐った底の横棒

こりゃ大変だ、だめかな。

切り取ってみる。

切ったかけら

結構やられてる。でも意外と腐っている部分は浅いか?

先日購入した電気カンナを使用。まずは0.5mmから、、

0.5mm削ってみる

うーん、もう1回0.5mm。

1mm削る

仕組みが分かるまで削ってみる。

2mm削る

3mm削る

4mm削る

なにか、小さな点が並んで見えてきました。

 

5mm削る

5mm削ったら、点の周りに円が見えてきました。そう、これはドリルの穴です。
ドリルで溝を掘っているのです。構造がはっきりするまで削ります。

 

6mm削る

はっきりとドリルの穴が見えましたね。端は2個、真ん中は3個のドリル穴です。

 

10mm削る

ホゾが見えてきました。接着は膠のようです。

 

12mm削る

15mm削る

 

これではっきりしました。

両端は2個、真ん中は3個のドリル穴です。

ドリルで25㎜深さのミゾほりがしているのです。これがしっかりした構造の秘訣の一つですね。今まで僕はせいぜい15㎜ぐらいのミゾでした。ノミでやると僕の技術ではこれが限界です。そして膠(にかわ)でホゾを接着している。これで長年の雨露にも耐えています。


僕はこの脇台の高さを調節(低く)して、工房で台として使おうと思ってますが、
このやり方でホゾとミゾの継ぎをやることにしました。
大収穫です。


また、この底棒の修理にはボンドではなく、膠を使うことにします。
これも新しいチャレンジの始まりです。

 

2023年5月4日