工房記始めます

僕は現在71歳、5年ぐらい前から木工を始めました。

小さな家とか家具とかを作りたいと思ったのです。

でも作り始めると、結構難しい。

小さな木片をどうやって組み立てるのか、

小さな穴をきれいに空けるにはどうしたらいいか、

小さな木片をどのようにカンナをかけるのか、

どれもなかなか難問なのです。

 

ぬいぐるみ用の小さな椅子とか

写真用の額ぶちとか、

作ってみるうちに、

木片を抑えるための治具

直角に切るための治具

さらにその治具を作るための治具、等々

必要に迫られて、いつの間にか、治具製作者になっていました。

 

工具はほとんど金属で作るため

溶接やろう付けもチャレンジしました。

さらに革細工やプラスチック材料の加工もやりました。

こうなると、作品を作るまでになかなか到達できないかもしれません。

でも、これでいいのです。

 

自分は今、木工という入り口から

モノつくりという果てしない森の中へ

さまよいこんだのです。

 

お金と時間がいっぱいあれば、何ら苦も無くできることもあるでしょう。

YouTubeを覗けば、たくさん出てくる。

でも僕は、自分の手でモノを作りたいのです。

少ない材料と資源から考えて工夫して

モノを作ることの喜びを味わいたいのです。

 

僕は現在、施設警備の仕事をし、妻と二人で生活しています。

多少の余裕と、空間と、そして健康と

これらに心からありがとうです。

まだまだ若輩者という気持ちです。

でも限りある命の道しるべとして

工房記を書いておきたいと思いました。

 

令和5年5月1日

大谷良一